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薪ストーブの正しく効果的な設置場所

薪ストーブは家中のどこの場所にでも設置できる訳ではありません。
ちゃんとした適正な場所に設置することで、家中をしっかりと暖め、火災などの危険も回避できます。
近年の薪ストーブブームで、薪ストーブが原因の火災も実際に起きています。
家の中で薪と言う可燃物を燃やすのですから、安全対策の基本はしっかりと覚えておきましょう。



 薪ストーブの設置プラン 基本は「効率」「安全性」

 薪ストーブは発生させる熱エネルギー(熱量)とても多いので、中型の薪ストーブでも家中を暖めることが出来ます。ただし、その熱エネルギーを無駄にせず効率的に利用するためには、設置場所の工夫が必要です。事実日本の住宅は壁や仕切りが多いため、薪ストーブの本来の暖房能力を存分に発揮できていないケースがほとんど。
 ストーブの熱を効率よく行き渡らせることは、長い目でみて薪のランニングコスト削減やストーブ自体の寿命にも繋がります。自宅のどこが設置場所として効率が良いか考えて見ましょう。



薪ストーブを設置する場所の3パターン


 
【薪ストーブを部屋の中央に設置する場合】

 薪ストーブを使用する際に、最適な位置が部屋の中央です。
輻射式の薪ストーブの場合は、ストーブの全体から熱エネルギーを発するため、周りに壁などの障害物がないことは、暖房効率としては最適な設置条件です。
 右の写真のように、リビングとその他の部屋が一続きになっている場合には、2つの部屋の中間に薪ストーブを設置すると、両方の部屋の空間は自由に使えるので、熱効率、生活面ともにグッド。
薪ストーブを部屋の中央に設置した場合の熱効率
中央に置くことで、暖気が上昇気流となって部屋中
に満遍なく行き渡るため、効率よく暖房できる。
部屋の中央設置の写真
中央設置の薪ストーブにまっすぐに伸びる煙突は、
薪ストーブにとっては至高の設置条件です。


 
【薪ストーブを部屋の壁際に設置する場合】

 中央設置の次に熱効率の良い設置場所が、壁際の中央付近です。
背面の熱は壁で遮られますが、前面、側面の3方向から暖気が流動し部屋を暖めることが出来ます。
さらに、設置する壁が外壁ではなく室内にある間仕切りの壁だった場合は、さらに熱効率はアップします。
薪ストーブを壁側に設置したときの熱効率
暖房効率と、部屋の使い勝手を両立してくれるのが
この壁面設置パターン。しかし、壁側の防火対策は
煉瓦壁などでしっかりとしておかねばならない。
壁面設置の例写真
背面に煉瓦壁で壁に伝わる熱を遮断。
煙突は2重構造の断熱煙突使用で防火対策。


 
【薪ストーブを部屋のコーナー(角)に設置する場合】

 部屋のコーナー(角)にストーブを設置した場合、部屋の空間を自由に使える分、左右の壁に熱エネルギーを遮断されてしまうため、暖房効率は低下してしまいます。
コーナー設置の場合は、部屋の中央のほうへ本体正面を向ける、部屋中央側の壁面に寄せるなどして少しでも熱効率をアップさせることが必要です。
薪ストーブを部屋のコーナーへ設置した場合の熱効率
見栄えと使い勝手は良いが、ストーブの背面には
デットゾーンが出来てしまうため、暖房能力は低下。
なるべく中央寄りへ本体を設置することが大切。
コーナー設置の例写真
吹き抜けのコーナーの場合は、上部にシーリングファンなどを取り付けるなどして薪ストーブの暖気をしっかりと循環させることが必要です。



設置場所の安全対策、防火対策


 
薪ストーブを設置するには、完全な防火対策が必要とされます。
事実、年間数件の薪ストーブによる住宅火災が起きています。これはいずれも薪ストーブを設置する際の周辺の防火対策、耐熱構造が不完全だったために起きた火災で、防ぐことの出来る事態だったのです。

 ◆低温炭化を防ぐ(重要)

低温炭化とは、薪ストーブ周辺の床や壁、煙突の貫通部周辺などの木材が、薪ストーブの熱に長時間さらされていることによって徐々に炭化していく現象のこと。炭化が進むと、通常の木材の発火点よりも遥かに低い温度で急に発火してしまい火災に至る。

この低温炭化を防ぐには、薪ストーブの熱を、壁や床に少しでも伝えないような断熱、遮熱構造をストーブ周辺に施さなければならない。
木材の炭化現象

 ◆必要不可欠な炉台と遮熱壁

 
壁や床の表面と内部の低温炭化を防ぐために、薪ストーブの下には必ず炉台を敷くこととなっています。
この炉台には、床に熱を伝えない役目と、扉の開閉時に飛び出した火の粉で床を汚さない役目も持っている。

薪ストーブを壁際やコーナーに設置する場合は、壁に対する遮熱壁が必要となる。薪ストーブから出る熱は床よりも壁面へのほうが遥かに高温なので、いくら壁が不燃材でも、木材に接していると必ず低温炭化が起こるので、
レンガなどで遮熱壁を作り、部屋の壁との間に25mm以上の空気層を設けるようにする。これにより住宅の壁材と内部の低温炭化は100%防ぐことが出来る。
壁と遮熱壁の間に25mm以上の空気層を設ける

 ◆煙道火災に注意

 薪ストーブにとって煙突は命そのものと言っても過言ではない。
薪ストーブの煙は、上昇気流を発生させ、自然の力で煙突内でドラフト効果を引き起こし外へ排出する。この煙突の構造がしっかりしていないと、煙が室内へ逆流したり、煙突内にタールなどが付着、蓄積してそれに引火し、煙道火災となる。
ひどい場合は、煙突から大きい火の粉を噴出する事態となり、周辺の可燃物への引火、大火災となる危険性もある。

 煙道火災は、シーズンオフ、シーズンインなどの定期的な間隔で煙突掃除をしていれば、十分に防ぐことの出来る事態です。
 ※詳しくは【煙突の取り付け方】を参照
煙突内部でタールなどが燃える煙道火災

~まとめ~


薪ストーブを使用する上で、火に対する安全対策は完璧なものでなくてはいけません。
正しい知識、施工方法をしっかりと学び、万全と自分で思えるまで拘っていただきたい部分です。




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