薪ストーブは家中のどこの場所にでも設置できる訳ではありません。
ちゃんとした適正な場所に設置することで、家中をしっかりと暖め、火災などの危険も回避できます。
近年の薪ストーブブームで、薪ストーブが原因の火災も実際に起きています。
家の中で薪と言う可燃物を燃やすのですから、安全対策の基本はしっかりと覚えておきましょう。
◆薪ストーブの設置プラン 基本は「効率」と「安全性」
薪ストーブは発生させる熱エネルギー(熱量)とても多いので、中型の薪ストーブでも家中を暖めることが出来ます。ただし、その熱エネルギーを無駄にせず効率的に利用するためには、設置場所の工夫が必要です。事実日本の住宅は壁や仕切りが多いため、薪ストーブの本来の暖房能力を存分に発揮できていないケースがほとんど。
ストーブの熱を効率よく行き渡らせることは、長い目でみて薪のランニングコスト削減やストーブ自体の寿命にも繋がります。自宅のどこが設置場所として効率が良いか考えて見ましょう。
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【薪ストーブを部屋の中央に設置する場合】
薪ストーブを使用する際に、最適な位置が部屋の中央です。
輻射式の薪ストーブの場合は、ストーブの全体から熱エネルギーを発するため、周りに壁などの障害物がないことは、暖房効率としては最適な設置条件です。
右の写真のように、リビングとその他の部屋が一続きになっている場合には、2つの部屋の中間に薪ストーブを設置すると、両方の部屋の空間は自由に使えるので、熱効率、生活面ともにグッド。
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中央に置くことで、暖気が上昇気流となって部屋中
に満遍なく行き渡るため、効率よく暖房できる。
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中央設置の薪ストーブにまっすぐに伸びる煙突は、
薪ストーブにとっては至高の設置条件です。 |
【薪ストーブを部屋の壁際に設置する場合】
中央設置の次に熱効率の良い設置場所が、壁際の中央付近です。
背面の熱は壁で遮られますが、前面、側面の3方向から暖気が流動し部屋を暖めることが出来ます。
さらに、設置する壁が外壁ではなく室内にある間仕切りの壁だった場合は、さらに熱効率はアップします。 |
暖房効率と、部屋の使い勝手を両立してくれるのが
この壁面設置パターン。しかし、壁側の防火対策は
煉瓦壁などでしっかりとしておかねばならない。 |
背面に煉瓦壁で壁に伝わる熱を遮断。
煙突は2重構造の断熱煙突使用で防火対策。
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【薪ストーブを部屋のコーナー(角)に設置する場合】
部屋のコーナー(角)にストーブを設置した場合、部屋の空間を自由に使える分、左右の壁に熱エネルギーを遮断されてしまうため、暖房効率は低下してしまいます。
コーナー設置の場合は、部屋の中央のほうへ本体正面を向ける、部屋中央側の壁面に寄せるなどして少しでも熱効率をアップさせることが必要です。 |
見栄えと使い勝手は良いが、ストーブの背面には
デットゾーンが出来てしまうため、暖房能力は低下。
なるべく中央寄りへ本体を設置することが大切。 |
吹き抜けのコーナーの場合は、上部にシーリングファンなどを取り付けるなどして薪ストーブの暖気をしっかりと循環させることが必要です。
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